曽我兄弟より熱を込めてをおすすめ!日本三大仇討ちの一つを解説!

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歴史小説興味あります。

読んでみたいんだけど何だか

難しそうな気がして。

そんなことないですよ。

今日ご紹介する本を読めば

歴史小説の面白さに

はまりますよ!

歴史小説に興味ある方いませんかー?

または一度読んでみたいなって思ってる方いてませんか?

歴史小説ってなんとなく敷居が高そうですよね。

難しそうに思えてちょっとかまえてしまうんですけど、実はとっても読みやすくて面白い歴史小説があります。

それが坂口螢火さんの書かれた「曽我兄弟より熱を込めて」です。

何を隠そう私もこの本を読むまでちょっと難しいんだろうなって思っていました。

とんだ間違いでガツンといかれた気分になりました。

この本を読めば今まで知らなかった歴史小説の面白さや魅力に気づくことが出来ます。

是非一度、手に取って読んでみてください。

曽我兄弟より熱を込めての概要

曽我兄弟の仇討ちは「伊賀越えの仇討ち」「赤穂浪士の忠臣蔵」と並んで日本の三大仇討ちの中の一つと言われています。

日本三大仇討ち
  • 曽我兄弟の仇討ち
  • 伊賀越えの仇討ち
  • 赤穂浪士の忠臣蔵

鎌倉時代に成立したと言われている「曽我物語」の曽我兄弟の仇討ちを非常に分かりやすくカジュアルにまとめてあるのがこの「曽我兄弟より熱を込めて」という一冊です。

平安時代後期から鎌倉時代に初期にかけた物語を題材にしているのですが、何よりその当時の武士たちの心の描写を上手に表した傑作です。

曽我兄弟の絆と頼朝の側近の曽我兄弟を思う気持ちを存分に楽しめる一冊です。

曽我兄弟より熱を込めての簡単なあらすじ

物語は曽我兄弟の父、河津三郎が暗殺されるところから始まります。

この時、実際に命を狙われていたのは河津三郎の父(曽我兄弟からみれば祖父にあたる)伊東祐親(いとうすけちか)という武士の棟梁でした。

この伊東祐親を恨み殺害を企てたのが、この仇討ちの的となる工藤祐経(くどうすけつね)という人物です。

そして今回の主人公となる曽我兄弟はこの時兄の一萬は五歳、そして弟の箱王は三歳です。

曽我兄弟は母の満江より、きっと父の仇をとってくれるように言い聞かせられます。

二人は途中ばらばらに育つ期間もありますが、母の思いを忘れることなく育っていきます。

それから長い年月をかけて兄一萬22歳、弟箱王20歳になる頃、頼朝の行う富士の大巻き狩りの最中に悲願である工藤祐経を討ち取ります。

ただ、この戦いで兄は討ち死に、そして弟も捉えられ処刑されてしまいます。

ここまでが「曽我兄弟より熱を込めて」のあらすじになりますが、その時々の登場人物の心の揺れなどがこの本の中には絶妙に描かれていて歴史小説初心者の私でもすらすら読めてしまう面白さです。

曽我兄弟より熱を込めてで心に残る3つ

それではこの「曽我兄弟より熱を込めて」を読んでとても感情移入してしまって良いなと思った場面を3つご紹介させていただきます。

実際に読むと作品に没頭してしまい、次へ次へとページをめくってしまうので詳しくは是非購入して読んでいただきたいです。

曽我兄弟と由比ガ浜

工藤祐経(くどうすけつね)は源の頼朝の伊東祐親(いとうすけちか)への恨みを利用して曽我兄弟を処刑しようとします。

伊東祐親は曽我兄弟の祖父で平家の群として戦い源氏に敗れ処刑されています。

ただそれ以前に、頼朝は祐親の娘と恋に落ちていたのですが、平家に仕える者の娘と源氏の棟梁の恋が実るはずもなく引き離されます。

そしてその子供まで殺されてしまったのでその恨みは相当深いものです。

この時曽我兄弟は兄十一歳、弟九歳です。

曽我兄弟は拘束され当時の処刑場である由比ガ浜へ連れていかれます。

その後、側近である梶原源太を筆頭に多くの武士が頼朝へ幼き兄弟を救うように願い出ますがことごとく却下されます。

そしてまさに処刑される直前までいくのですが、ここで奇跡が起きます。

頼朝の側近中の側近、病気療養中の畠山重忠より「子供二人の命すら救えずならこの場で重忠を斬りたまえ」という命がけの懇願により直前で取りやめになります。

この畠山重忠は曽我兄弟の思いをくんでおり、今後も幾たび曽我兄弟の命を救い仇討ちの手助けをします。

この由比ガ浜の場面は特に美しい名場面として知られており過去には学校の教科書にも出ていました。

幼き子供たちの斬首、武士達の必死の命乞いの懇願、由比ガ浜で刑を待つ子供、すごくリアルな場面が浮かんできて緊迫感が伝わってくる手に汗握る場面です。

曽我兄弟と富士の巻き狩り

一一九三年、富士の裾野で頼朝が大巻き狩りの催しを行います。

大巻き狩りとは山の上から太鼓などで大きな音を立てて獣を追い落とし、麓で待ち構える大勢の武士達が思い思いに獣を射る狩りの事です。

この舞台こそ曽我兄弟の仇討ち、そして最期の場所になります。

この時兄は十郎、弟は五郎と元服した名となっています。

ここでも曽我兄弟は源氏方の名だたる武士達に助けてもらうことになります。

四日間にわたって行われるこの大巻き狩りですが、初日より三日目の夕暮れまで仇討ちの悲願は決行されませんでした。

明日が残された最後のチャンスなった三日目の夕暮れにたらいをひっくり返したような豪雨となります。

そのため狩りは本日をもって終了とし明日は行われません。

もちろん正式に参加しているわけではない曽我兄弟はこのことを知りません。

案じた畠山重忠は曽我兄弟へ「狩りは今日限り、今宵でなければ祐経を討つことは出来ない」という手紙を送ります。

そのおかげで曽我兄弟はその日の夜に仇討ちを実行することが出来ました。

陰ながら曽我兄弟の思いをくみ、表立っては出来ないものの何とか助けようとしている様子がうかがえます。

兄弟の人柄や一途な気持ちに心打たれます。

また二人で仇討ちへと向かう最後の夜ですが、あらかじめ調べておいた祐経の寝所を襲いにいきます。

ところがいざ押し入ったその場所は無人部屋でした。

今から探すにしても陣屋だけで千三百もあり兄弟は途方に暮れてしまいます。

そこへ夜回りをしていた本田次郎という人物が通りかかります。

彼は怪しげな二人を見つけて刀を抜こうとするのですが、その二人が曽我兄弟と気づいて刀を鞘に納めます。

そして祐経の館を指し示すのです。

実はこの本田次郎は畠山重忠の家臣であり主人の深情けが身に染みている武士だったんです。

このように一難去ってまた一難の度に源氏方の武士に助けてもらいます。

緊迫した場面が続いて、読んでる自分が緊張してしまいます。

続きが気になって今読んでる行の隣の先のページを目だけでちらっと見たりもしてしまいました。

曽我兄弟の最期の時

一一九三年五月二十八日に曽我兄弟は悲願の仇討ちを成し遂げます。

この時の二人の「叫び」は私の心にとても響いてきました。

父の死から十七年間もの兄弟の思い「父の仇、観念せよ!」の中に込められています。

さらに「幼少よりの願いが叶ったぞ」と。

そしてこのあと二人は大声で祐経を討った事実と自分の名前を告げます。

ここで二人同時に斬り死にするために。

その声を聞きつけて多くの武士達が集まってくるのです。

ここまでの二人の人生を思い出しながら読むと、このあたりは本当に涙が出てきそうになります。

お願いだから死なないでほしい!生きていてほしい!!そんな気持ちになります。

この場面でも畠山重忠と和田義盛の二人の陣からはこの騒ぎに参加しないように指示が出ていました。

特に畠山重忠は「この騒ぎは、曽我の者どもが本意を遂げて仇を取ったもの。兄弟の血に刀を染めてはならぬ」と指示をだしました。

このあと十郎は新田四郎という親類に討たれてしまいます。

ついにこの場面になり私は凍り付くような衝撃でした。

この時弟の五郎は近くにおらず最後に兄に名を呼ばれたのを聞いてかけつけるのですがそこにはもうすでに…。

このあと五郎はその場で斬られることなくとらえられてしまいます。

そして翌二十九日弟は頼朝の尋問のもと処刑されてしまいます。

ただこの場面、将軍を前にして少しも臆さない弟のその態度や振る舞いから頼朝は「この男を殺すには惜しい。命を救ってやれないか」と思ったそうです。

残念ながら謀反を許すことは後の火種を生むことにつながるので成しえませんでした。

ただ、頼朝にここまで言わせる弟のなりに個人的にもう少し触れてみあたったなって思いました。

鎌倉殿の13人ちゃんと見ておけばよかったなといまさらながら後悔しています。

よしろぐ的ポイント

良かったところの3つとは違いこの本で私が感じた2つのポイントをお伝えしたいと思います。

日本三大仇討ちの緊迫感とリアル感

緊迫感が半端ないです。基本的に史実に基づいたお話なのでおよそ結果どうなるかはわかっているんですけど、それでも「この先は?続きが読みたい!」って思わせてくれます。

先に書いた由比ガ浜のシーンも曽我兄弟の巻き狩りの場面も「まだここでは兄弟は死なない」とか知っている事なのにページをめくる手がとまりません。

特に曽我兄弟の仇討ちにかける思いを知る源氏方の武士たちの気持ちがその都度伝わってきます。

由比ガ浜の梶原源太や畠山重忠、また和田義盛などの名だたる武士の心の描写、葛藤などがこの本を読む私の手から腕へ、肩へ、そして心臓まで伝わってきます。

今を生きてる私たち現代人以上に、当時の多くの武士たちの心を動かしたんだろうなと思いました。

この気持ち実際に本を読んで是非味わってほしいな~って思います。

曽我兄弟の絆

この本のテーマと言ってもいいんじゃないかというくらい熱い気持ちが伝わってきます。

父親の仇討ちを心に決めた時からの二人の思いが痛いほどわかります。

ともにいる時も離れて暮らしている時もお互いを信じあい、ともに生きともに死す覚悟です。

特に最後の兄が先に死んでしまう場面では「いつまでも二人だと、死なばもろともと誓ったのに!どうして先に。五郎を捨ててどこへ行く。共に連れていけ」という言葉には鳥肌がたって背中がゾクゾクしました。

「死なば一所に」現代風に言えばどういう例えが適切なのかわからないですが、言葉にはかり知れない重みがあることはすぐに分かります。

そしてこの後五郎は頼朝から「助けてやりたい」「召し使いたい」としきりに気をもまれたにもかかわらずひたすらに死をのぞんでやまなかったそうです。

「兄者が五郎を待っている。早く首を斬りたまえ!」と言いました。

この兄弟の絆は、今私たちが想像できるような簡単なものではなくて途方もない壮絶なものだったんだろうなと思いました。

まとめ

今回ご縁があってこの「曽我兄弟より熱を込めて」を読みました。

もともと歴史小説というものにあまり興味がなくて、むしろ「知らない話」ばかり延々と読む事に少し抵抗がありました。

しかし読んでみるとそんな気持ちは全く無くなりました!「知らないこと」が分かりやすく丁寧に書かれており、読んでいくにつれて「知らないこと」がどんどん「知っていること」へ変わっていきます。

読みやすさは作家さんの力によるところも大きいとは思いますが、歴史小説というものに対する見方が180度変わってしまいました。

少しニュアンスが違うかもですが、スポーツでいう「出来なかった事が出来るようになる喜び」みたいなものを感じました。

この本に巡り合えたおかげでまた一つ新しいジャンルの魅力を知ることが出来たので感謝したいです。

まだ読んでいない方は是非購入して読んでみてください。

きっと歴史小説の魅力を教えてくれる一冊になると思いますよ。

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