2025年上半期も、多くの心を揺さぶる小説を読むことが出来ました。
話題作から隠れた名作まで、読書好きなら絶対に見逃せない作品ばかりです。
そこで今回は、2025年上半期に読んだ小説の中から特に印象的だった小説を厳選し、ランキング形式でご紹介します。

間違いなく面白いです!
泣ける感動作やスリル満点のミステリー、深く考えさせられるヒューマンドラマまで、幅広いジャンルを網羅することが出来ました。
あなたの次の一冊がきっと見つかるランキングです。
読み進めるほど、ページを閉じるのが惜しくなる傑作揃いのリストをお楽しみください。
2025年上半期ランキング10選
それでは読書好きがおすすめする2025年上半期小説ランキングベスト10をご覧ください。
なお、このランキングは2025年上半期に発売された小説という事ではありませんのでご了承ください。
スピノザの診察室
第1位 スピノザの診察室
京都の小さな病院を舞台に、甥を育てながら地域医療に尽くす内科医・雄町哲郎(マチ先生)の姿を描く『スピノザの診察室』。
著者は『神様のカルテ』で知られる夏川草介さんです。
派手さはないけれど、地域医療に根差した「患者の顔が見える医療」を求めて一人ひとりの患者に向き合う温かな時間がじんわり胸に染みる人間ドラマが魅力です。
哲学者スピノザの思想が物語に深みを与え、「人の幸せとは何か」を静かに問いかける展開に、途中何度かページを閉じて考え込んでしまいました。
本当に深くて、本屋大賞第4位も納得の感動作です。
幸村を討て
第2位 幸村を討て
戦国時代の最後の戦となる「大坂の陣」が舞台の歴史小説です!
歴史にうとい自分でも聞いたことのある有名な武将たちの思惑が交錯する中で、亡き父・昌幸とその次男・幸村の策略に翻弄される武将たちが次々に「幸村を討て」と叫んでゆきます。
有名なところで、徳川家康、伊達政宗、後藤又兵衛、毛利勝永などが各章ごとに描かれていき、それぞれの視点で描かれていきます。
「戦場の謎と戦略の面白さ」がとてもよく出来ています。
そして最後に各武将たちの視点が絡み合って、「え?そこにつながる!?」っていう事になっていきます。
戦の中にある心理戦や人間ドラマまで描かれた「史実×本格ミステリー」と言っても良い一冊で、歴史ものの苦手な私でも十分に楽しむ事が出来ました。
法廷占拠 爆弾2
第3位 法廷占拠 爆弾2
呉勝浩の最新作『法廷占拠 爆弾2』は、前シリーズのスズキタゴサクの裁判中の法廷が突如占拠されるという衝撃の幕開けから、一瞬たりとも目が離せない緊迫感が続くサスペンスです。
人質100人、犯人の要求は“死刑囚の即時執行”。生配信で全国が注視する中、警察・犯人・被告の三者が繰り広げる心理戦と駆け引きはまさに息詰まる展開です。
終盤に向けて怒涛の加速を見せ、読後はしばらく動悸がおさまりません。
そして続きが気になって仕方ない展開です。
前作未読でも十分楽しめますが、読んでおくとさらに深く刺さる一冊です。
猛毒のプリズン
第4位 猛毒のプリズン
閉ざされた山奥の洋館で起こる連続殺人『猛毒のプリズン』は、天才医師・天久鷹央シリーズで極限のクローズドサークル・ミステリーです。
全員にアリバイがあり、証拠も掴めない中で、鷹央の医療知識と鋭い推理が絡み合い、予想外の真相へと導かれます。
植物状態の依頼人や莫大な遺産争い、多重中毒の謎が次々に浮かび上がる展開は息をつく暇もありません。
タイトルの意味が明らかになる瞬間、背筋はぞくっとして鳥肌も立ち、さらにもう一段深い層が存在していたことに気付きます。
結末があまりにも衝撃的で言葉を失ってしまいます。
シリーズ未読でも存分に楽しめる、濃密な一冊です。
婚活マエストロ
第5位 婚活マエストロ
40歳の在宅Webフリーライター・猪名川健人が取材で訪れたのは「ドリーム・ハピネス・プランニング」という小さな婚活会社です。
そこで出会ったのが、情熱と品格を兼ね備えた“婚活マエストロ”と呼ばれている鏡原奈緒子でした。
婚活の現場を通して、人の思いや出会いの奇跡が温かく描かれる人間ドラマが魅力の一冊です。
地方の日常や人情の機微がリアルで、読んでいるうちに心がほぐれていく感覚になります。
宮島未奈さんの代表作「成瀬は天下を取りに行く」とはまた違う穏やかな余韻が残る、大人の青春小説です。
読後はきっと笑顔になれます。
あなたが誰かを殺した
第6位 あなたが誰かを殺した
東野圭吾の人気シリーズ「加賀恭一郎」シリーズ第12作『あなたが誰かを殺した』は、犯人が自首してきた瞬間から始まる異色のミステリーです。
別荘地でのバーベキューパーティー中に起きた殺人事件の真相を、遺族たちと加賀が“検証会”で探っていきます。
限られた証言と微妙な心理戦の中で少しずつ見えてくる真実は、驚きと切なさが入り混じるものです。
犯人探しのスリルだけでなく、人間の心の奥に潜む感情まで描き切る描写に驚きつつページをめくる手がとまりません。
犯人分かって事件解決で面白かったと思った次の、最後の最後で驚く展開に全身がゾクゾクしました。
城塞
第7位 城塞(上中下)
司馬遼太郎『城塞』は、豊臣家最後の戦い「大坂の陣」を描いた歴史巨編です。
上・中・下巻を通して、真田幸村や後藤又兵衛ら猛将の奮戦、徳川家康との壮絶な知略合戦が生き生きと描かれます。
個人的には徳川家康の怖さを心底感じました。
冬の陣から夏の陣へと移りゆく中で、武士たちの誇りや信義、そして時代の波に抗う姿は胸を打ちます。
司馬作品ならではの史実の精緻さと人物描写の妙が光り、読み進めるほど戦国の終焉の空気に引き込まれました。
歴史小説ファン入門の名作です。
焼けた釘を刺す
第8位 焼けた釘を刺す
くわがきあゆ『焼けた釘を刺す』は、二人の女性視点が交錯しながら進むサイコサスペンスです。
ストーカー被害に遭った後輩が殺され、真相を探る千秋と、嫉妬と執着に心を蝕まれる杏の二人が中心となって進みます。
互いに異なる動機で動く二人の物語が絡み合い、やがて衝撃の結末へと収束します。
あまりにもサイコパスが強烈すぎて何度か読みたくなくなりそうなのに、日常の裏に潜む狂気がじわじわ迫る描写は圧巻で、ページをめくる手が止まりません。
ラストのどんでん返しには背筋が凍り、ほんとやばかったです。狂気的すぎてしばらく余韻から抜け出せませんでした。
心理描写重視のミステリー好きに強くおすすめです。
死神と天使の円舞曲
第9位 死神と天使の円舞曲
知念実希人さんの『死神と天使の円舞曲』は、死神レオ(ゴールデンレトリバー)と天使クロ(黒猫)の高貴な存在である二匹が、人間の未練を解き放つために奔走する感動のファンタジーミステリーです。
人魂の噂や不審火が続く町で、ホスピス患者や自殺志願者と心を通わせながら、動物の姿を借りた二匹はやがて予想を超える真実に辿り着きます。
そしてミステリーの面白さに優しさと切なさが絶妙に絡み合い、涙と驚きが同時に押し寄せる一冊です。
読み終えた後、きっと大切な人に会いたくなるおすすめの物語です。
天久翼の読心カルテ 神酒クリニックで乾杯を
第10位 天久翼の読心カルテ 神酒クリニックで乾杯を
天才精神科医・天久翼が活躍する、医療×ミステリーのスリリングな一冊です。
舞台は会員制バーを模した謎めいた医院「神酒クリニック」で、患者を治すためなら医療の枠を超えて事件調査にも乗り出す個性派「天才医師」たちが集まる異色のクリニックです。
資産家の息子の殺害事件を追ううちに、違法賭博や誘拐が絡む危険な真相に迫っていきます。
現役医師・知念実希人ならではのリアルな医療描写と、予測不能な展開が絶妙です。
キャラクター同士の掛け合いもユーモラスで、緊張感の中にクスリと笑える瞬間もあって読みやすいです。
天久鷹央シリーズとの絡みもあり、完成度の高い医療ミステリーです。
まとめ
今回ご紹介した「2025年上半期ベスト小説ランキング」は、ミステリーのスリルから心温まる人間ドラマまで、幅広い魅力を持つ10冊を集めました。
どの作品も物語の力で日常を彩り、時には心を揺さぶり、時には優しく癒してくれます。
2025年上半期は、小説を読むにあたり、多彩な作品を知る事が出来て読書に魅了された一年の前半でした。
このランキングが、あなたの新しいお気に入りの一冊と出会うきっかけになれば嬉しいです。
ページをめくる喜びを、今回ご紹介の小説たちで一緒に味わっていきましょう。


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