2023年阪神タイガースの公式戦が全日程終了しました。
今年は18年振りの「アレ」が達成出来て長年待ち望んだファンにとっては最高のシーズンでした。
ここで2023年のタイガースをデータを踏まえながら振り返ってみたいと思います。
今回は前編の「阪神タイガースのストロングポイント」を中心にご紹介させていただきます。
それでは一緒に見ていきましょう。
阪神タイガースストロングポイントはどこ?
2023年のタイガースの武器はなんだったのでしょう?
私が思うにまずは大まかにこの2つではないでしょうか。
- 投手力
- 1点を取りに行く野球
今からデータで検証していきますが、投手力に関しては誰もが認めるところだと思います。
ただ「1点を取りに行く野球」っていうのが意外に思われる方も多いんじゃないでしょうか?
実は私も同じ思いだったんですが、データを紐解いていくと面白い事実が見えてきます。
それでは細かく見ていきましょう。
最強のタイガース投手陣
まずは2023年の各チームの基本的な投手データを見ていきます。
タイガースの防御率2.66はセリーグ唯一の2点台をたたき出しているし、12球団合わせても最強の数字になります。
昨年の防御率も2.67ですから、たまたまではなく本当の投手王国です。
青柳選手、西選手が不調の中この数字ですからタイガース投手陣にはいう事ありません。
ホールド数はリーグ2位です。
ただ個人成績で言うとホールド数はリーグの上位5位には誰も入っていません。
ここはちょっとポイントで、誰かに負担が偏ることなく全員で分散して岩崎選手へつないできたんです。
セーブ数も広島と僅差でリーグ2位です。
湯浅選手離脱の中で岩崎選手がリーグ最多セーブの35セーブあげてくれた結果です。
被打率は断トツのリーグ1位でここは村上選手の被打率.181が大きく作用しています。
パリーグで無双状態のあの山本由伸選手でさえ被打率.198ですからこのすごさがうかがえます。
以上のことから投手力は間違いなく阪神タイガースのストロングポイントです。
それではここでもう1つ投手力を違った角度からデータで見てみましょう。
各チームの防御率を先発と救援に分けた数字と先発投手のクオリティスタート(QS、6回自責点3以下)達成率になります。
先発投手、救援投手ともに防御率はリーグナンバー1です。
おまけにクオリティスタート率もリーグ1位です。
先発投手が長いイニングを最少失点で切り抜けて安定感抜群の救援投手で逃げ切るパターン、もしくは最少失点差で後半につないで救援投手が無失点に抑えている間に野手が逆転する。
そんなシーンを今年何度も見た気がします。
阪神から広島までの4チームは先発も救援も比較的案手しているのですが、巨人は先発が頑張っても後半に救援陣が失点されて、逆にヤクルトは早い回で失点するパターンが多かったんじゃないでしょうか。
最後にもう一つタイガースの投手が与えた四死球についてもデータを出しておきましょう。
与えた四球はリーグ断トツの少なさです。
WHIP(1イニングに出すランナーの数)もリーグで唯一1.1を切っており断トツの数値を出しています。
パリーグの最高値がオリックスの1.16なので12球団で見ても圧倒しています。
いかに塁上にランナーを出していないかがわかる数値です。
ランナーを出塁させても点を与えなければいいという考え方もありますが、ヒットを打たれたり、ましてや四球となるとどうしても球数が多くなり長いイニング投げれなくなります。
そうなると救援投手に負担がかかり夏が終わって勝負の9月に蓄積された疲労が必ず出てきます。
これ阪神ファンなら思い当たるところないですか?
そうなんです。以前までのタイガースは8月のロードくらいから大切なシーズンの終盤にいつも失速してしまうんです。
今年は岡田監督の投手の使い方もあって本当にうまくラストスパートかけれました。
一時期広島も全然負けないのでマジックが1つずつしか減らない時期があってやきもきしました。
1点を取る細かい野球が出来ている
セリーグの他の5チームに比べると1点を取るための細かい野球が出来ていたと思います。まずは以下のデータを見てください。
すでにいろんなところで言われていますが今年のタイガースは各打者が打席でじっくりボールをみています。
去年までの「打てるボールが来たら何でも振っていく」という積極的スタイルから「自分の狙い球を絞ってボール球に手を出さない」というスタイルに変わりました。
その結果2022年度の「打率.242、四球379、死球47、出塁率.301」から大幅に成績が改善されています。
特に四球の多さは他のチームを圧倒しています。
相手チームがの守備の時にいかにランナーが塁上にいるケースが多いかを表す指標です。
そうやって相手に少しでも球数を投げさせる事で先発の好投手を引きずりおろしてからの逆転もたくさんありましたね。
そしてもう一つ、今度は塁に出たあとどういう展開になっているかというデータがあります。
犠打がリーグ2位タイ、犠飛、盗塁、そして併殺打の少なさがリーグ1位という数値です。
ランナーを進めるという事に関しての指標なんですが何か1つ強いチームならあるんですが、すべてそろっているのはタイガースだけです。
分かりやすい例で言うとノーアウトから四球で出たランナーを盗塁で2塁に進めてその後3塁へ送りバントで進めます。
そこで犠飛で1点です。これどうですか?ノーヒットで1点です。
1アウト1塁3塁ならゲッツー崩れでも1点です。
私も試合を見てる時は「ノーアウトや1アウトで3塁にランナーがいて何でアウト1つ使って1点取れないんだ」ってよくぼやいていたんですが、実はタイガースが1番出来ていたんですね。
こうして数字で表すと面白いですね。
よしろぐ的ポイント
2023年の阪神タイガーズのストロングポイント2つご紹介させていただきましたが、実は私は本当の強みは他にあるって考えています。
ズバリ岡田監督の采配です。特に投手の使い方が上手かったと思います。
大型連勝のあとの疲れや勝負の秋に向けて全員を上手くコントロールしていました。
ほとんどの投手が一度抹消されて休みをもらっているように思います。
それに先発投手は10人体制をとっていたのも大きかったです。
青柳選手や西勇選手は前半調子が上がらなくて抹消されて2軍で調整したのち大事な夏場にカムバックしてくれて疲れの出てくる頃に大活躍してくれてます。
その点DeNAや広島はすごい勢いで勝ち続けて一度首位に立つ事もあったんですが、その反動で疲弊して勢いは長くは続かずでしたよね。
岡田監督は投手陣を本当にうまくコントロールしてくれたなと思いました。
また後半戦には投手の役割がさらに細かくなって、例えば前半あまり活躍していなかった桐敷選手が「回またぎ」、島本選手が「得点圏にランナー背負った場面」とか選手がやりがい感じる采配だなって思ってました。
またみんな自分の役割をきっちりこなすところがいいですよね。
まさに全員野球でした。
まとめ
今回は2023年の阪神タイガースの強みを2つご紹介させていただきました。
投手陣が強みなのはどの角度から誰が考えても間違いありません。
ただ1点にこだわる野球っていうのはちょっと意外だったかも知れません。
他の5チームはもっと出来ていなかったということですね。
ぶっちぎりで優勝したチームなので他にもまだまだ強みはたくさんあると思います。
みなさんの思うタイガースの強みも教えてもらえたら嬉しいです。
今回前編という事で優勝したタイガースの強みをご紹介させてもらいましたが、次回は後編でタイガースの来季の課題を探ってみたいと思います。
コメント